現在、日本人の約25%が花粉症だといわれています。
花粉症とは、植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの4大症状を起こす病気です。
花粉の飛散時期に一致して症状が出るため、季節性アレルギー性鼻炎と言われます。
スギ花粉が原因となることが多く、北海道と沖縄を除く全国で発症します。
花粉症を生じる植物は60種類以上あります。
その中でスギ花粉が原因となって起こるアレルギー疾患が最も多く、特にスギ花粉症は冬の終わりから春にかけて、毎年、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの症状で多くの人を悩ませています。
スギのほかにもヒノキ、イネ科、ブタクサ、ヨモギなど様々な花粉が花粉症を引き起こすとされています。
北海道ではスギ花粉ではなく、シラカバやイネ科の花粉症を認めます。
おもな症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみです。
他にも、鼻血が出たり、耳やノド、顔のかゆみなども自覚します。
また、鼻が詰まるため匂いがしなくなり、口呼吸によりノドが乾いて痛くなったりします。
アレルギーの反応が強いと、ノドの違和感や咳も出るようになります。
さらに、頭痛や頭重感、脱力感、腹痛や下痢などの全身症状を自覚することもあります。
一般的には花粉の飛散量と症状の重症度は必ずしも比例しません。
少量の花粉でもずっと触れていると重症化することがあります。
朝目覚めた時に鼻の症状が強いことがあり、モーニングアタックと言われます。
これは夜中に床の花粉を吸いこんだり、自律神経の調節障害が原因になることがあります。
治療には症状を抑える対症療法とアレルギー体質を改善する根治療法があります。
一般的に治療の中心になるのは、内服薬による治療です。
さらに点鼻薬などを症状に合わせて用います。
また、花粉が飛び始める1か月くらい前から薬の服用を始めることで、飛散シーズン中の症状を抑えることができます。